過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。
「ヘルスラーニングジャーナル」とは?

ヘルスラーニングジャーナルとは、40代の僕が学んだ最新の健康・栄養に関する知識を整理し、記事化して発信していくシリーズです。
従来の栄養学から分子栄養学、そして精密栄養学へと進化している現在の流れを深掘りしながら進めています。
なぜ「ヘルスラーニングジャーナル」を書くのか?
健康に関する最新の研究は日々進化をしており、特に「精密栄養学」は個々の遺伝情報や腸内環境に基づいた新たな健康管理の鍵となっています。僕自身が最前線で学び、実践し記事にまとめることで、ウイルス対策やブレインフォグ、倦怠感など、従来の医療では解決しにくい症状の改善、要は「名もなき病」の対策・改善につなげたいと考えているのです。
みなさんもぜひ学び、実践し、より健康的で生産性のある未来を僕と一緒に目指しましょう!
はじめに
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、僕たちの健康の根幹を支える存在です。その理由の一つは、腸が独自の神経ネットワークを持ち、脳からの指令を待たずに自律的に機能することができるという点にあります。腸内には約1億個もの神経細胞があり、その数は脊髄と同程度です。
さらに腸内には、100兆個を超える腸内細菌(腸内フローラ)が共生しており、その重量はおよそ1.5kg。これらは消化・吸収にとどまらず、免疫系、代謝、炎症制御、そして精神状態にまで広く影響を及ぼしています。
この腸の重要性を理解するうえで、近年とくに注目されているのが「リーキーガット症候群(Leaky Gut Syndrome)」です。
リーキーガットとは何か?
リーキーガット症候群とは、日本語で「腸漏れ症候群」または「腸管壁浸漏症候群」と訳される状態で、腸の粘膜バリア機能が低下し、本来は体内に吸収されるべきでない物質が腸壁を通過して血液中に侵入してしまう現象です。
健康な腸では、タイトジャンクションと呼ばれる接着構造によって上皮細胞が強固につながれ、ウイルスや毒素、未消化の食物分子などの侵入を防いでいます。しかしこのバリアが崩れると、腸内の異物がそのまま血流に乗って体内に入り込み、炎症や免疫の暴走を引き起こすことになります。
全身に波及するリーキーガットの影響
腸から漏れ出た異物は免疫系にとって敵と認識されるため、全身で慢性的な炎症を引き起こす原因になります。結果として、自己免疫疾患や慢性疲労、皮膚トラブル、アレルギー症状、さらには脳の霧やホルモンのアンバランスなど、さまざまな症状が現れます。また、腸壁の炎症により栄養の吸収効率が低下し、鉄やマグネシウム、ビタミンB群などの欠乏による二次的な不調も出やすくなります。
とくに注意が必要なのは以下のようなケースです。
- 原因不明の疲労や集中力の低下が続いている
- アレルギーやアトピーが悪化している
- 消化不良やお腹の張りなど腸の不調が慢性的である
- 関節痛や筋肉痛が繰り返し起こる
多面的な原因にアプローチする
リーキーガットの引き金は多くの場合、複合的です。
抗生物質や保存料を多く含む加工食品、殺菌処理された食品は腸内の善玉菌を減らし、悪玉菌やカンジダ菌の増殖を招きます。小麦に含まれるグルテンは「ゾヌリン」というタンパク質の分泌を促進し、タイトジャンクションの構造を緩めることが知られています。
また、乳製品に含まれるカゼインや乳糖が腸に炎症を与えるケースもあります。ストレスによるコルチゾールの過剰分泌は腸粘膜の修復力を低下させ、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗生物質は腸壁に直接ダメージを与える要因となります。
治すための実践的なアプローチ
改善には、食べ物・ライフスタイル・栄養の3つを同時に見直すことが基本です。まず腸の粘膜に負担をかける食品を一時的に除去することが出発点です。小麦、乳製品、精製糖、人工甘味料、アルコールなどを控えます。
次に、腸内環境を整える食品を意識して摂るようにします。味噌、ぬか漬け、納豆といった発酵食品に含まれる乳酸菌や、バナナ、玄米、玉ねぎなどに含まれるプレバイオティクスが役立ちます。
修復段階では、腸粘膜の材料となるグルタミンや、炎症を抑えるオメガ3脂肪酸(アマニ油、亜麻仁油など)を取り入れると効果的です。さらに、ビタミンA・D・亜鉛などの栄養素を意識的に補うことで、腸の再生を助けることができます。
腸医療の進歩にも注目
近年では、腸内細菌移植(FMT)やマイクロバイオーム解析といった腸内環境の再構築を目的とした医療技術も注目されています。FMTは健康な人の腸内細菌を患者に移植することで腸内バランスを整え、慢性疾患や難治性腸炎などへの効果も期待されています。
また、自分自身の腸内環境を分析できるマイクロバイオーム検査の普及により、個人に合った食事とサプリメントによる「腸のパーソナライズ戦略」が可能になっています。さらに、腸内細菌がつくる酪酸などの「ポストバイオティクス」が腸壁修復や炎症抑制において重要な役割を果たしていることも明らかになってきました。
腸を整えることは、人生を整えること
リーキーガット症候群は、見逃されやすいけれども、多くの慢性的な体調不良の原因の裏に潜んでいる可能性があります。食生活の見直し、ストレスマネジメント、そして腸の声に耳を傾けること。それが、根本的な健康の回復につながります。
腸は、感じる力と治す力を兼ね備えた臓器です。日々の選択を見つめ直すことで、身体の内側から未来を変えていくことができるのです。
#25ではタンパク質について書いてきたいと思います!
️ ️ヘルスラーニングジャーナル記事はこちらにまとめています。 ️ ️

Comments by daisuke kobayashi
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