過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。
B面としての起動──Hyperpast Journalの役割
このブログメディア「Hyperpast Journal」は、最初からA面ではなく、B面を想定して立ち上げた。
A面とは表舞台であり、成果物であり、わかりやすいアウトプットだ。
一方B面とは、試行錯誤、裏話、構想段階、あるいは記録。つまり生成の余白である。
僕にとって、A面=書籍や映像作品やプロダクト。
B面=日々の記録、概念の試運転、思考の彫刻。
このB面を定期的に動かし続けることが、A面を生む「回路」を開く行為であると考え、長年運営していたブログの形を変え、今の形にすることができた。
書くことで構造が浮かび上がる
書き続けることで起きた最大の変化は、思考が構造化されていくことだ。
頭の中では漠然としていた考えが、文章化することで可視化され、やがてまとまりや方向性が生まれる。
その繰り返しによって、自分はどこへ向かっているのかや、自分は何を伝えようとしているのかが、外から俯瞰できるようになる。
この俯瞰こそが、次の行動を導く地図になる。
少し前、自分の人生感すべてをB面にぶつけるように書いていたが、正直今、そのおかげでアイデアが溢れて仕方がない。
特に電子書籍を書く構想がいい感じになっており、構成を先日練っていたが、なんとたった2日間ほどで6冊もの構成案を作ることができた。しかも娘の子守をしながら!
あとはそれを書き、仕上げるだけとなっている。まぁ、この作業が大変なのだが構成案ができているということは7割は仕上がっているということもである。
過去と未来の対話装置としてのジャーナル
また、Hyperpast Journalのもう一つの役割は、過去と未来の対話を仲介する場であることだ。
たとえば、古い技術や思想を引用しながら、今後自分が制作していく作品や活動の起源を確かめている。
たとえば、これから書いていく書籍『ミト・フロウ・プロトコル』『偏食娘と健康オタクパパ – 親と子のごはんウォーズ』などは、単に健康情報や育児エッセイとしてではなく、未来に向けてどんな価値観を残すかという、ある種のアーカイブとして捉えている。
このように、日々のジャーナルはいまこの瞬間だけのものではなく、過去から未来へとつながる、細いけれどしなやかな文脈の橋として機能している。
ミトちゃんとA面形成の始動
B面を動かす中で自然と立ち上がってきたのが、「ミトちゃんといのちのなかまたち」というプロジェクトだ。このウェブサイトは朝4時に目が覚め、ハッ!とアイデアが思いついたからノリでその日に見られるまで仕上げた。13時間ぐらいでできた。
もともと、これは子ども向けの絵本プロジェクトだし、最終目標も絵本なのだが、実のところその構造は、Hyperpast Journalとかなり似ている。
目に見えにくい身体の仕組みや、微細な栄養の営みを、激ゆるなキャラクターというフィクションを通して可視化しようとするこのプロジェクトもまた、“見えないものに光を当てる”というB面的な出発点から始まっている。
しかし、それはやがて一冊の絵本というA面(成果物)として完成していく。
つまり、Hyperpast JournalはA面を設計するための、B面の工房であり、
ここで描かれる一つ一つのスケッチが、将来の表舞台へと昇華されていく。計画って大事ってこと。
B面を整えることで、A面の輪郭が見えてくる
A面ばかりに目を向けていると、出力ばかりが先行して疲弊してしまう。
だが、B面を整えておくことで、A面の流れが自然と整ってくる。
Hyperpast Journalを始めてから、これまで点として存在していた構想が線となり、地図のように広がりはじめている実感がある。
精密栄養学の実践記録をはじめ、自身の思想、ULフィッシング、ミトちゃんの絵本、そしてこれから執筆を始める健康書籍シリーズ。ばらばらだったアイデアが、有機的に結びつきつつある。
もともと僕は、精密栄養学を学ぶ前から娘のために絵本を作りたいと考えていた。
しかし、まさかその学びの過程で、ミトコンドリアを主役にした「激ゆるキャラクター」が誕生するとは思ってもいなかった。
しかもこのキャラクター群は、「生命」や「身体の仕組み」といった普遍的なテーマを土台としているため、ネタが尽きることはない。現在は20キャラだが、まずは200キャラを目標にしている。その方がよりミトちゃんの存在が活きてくるからだ。ただ単にキャラを増やしたいわけではない。やなせたかしを超えたいわけでもない。
ミトちゃんという存在を生み出したことで、新たな挑戦にも意欲が湧いてきた。
たとえばクラウドファンディング。全国の保育所にミトちゃんの絵本を届けることができたなら、それは非常に意義深い活動になると感じている。その資金を集めるプロジェクトとしてやってみるのもアリと思っている。
絵本に限らず、教育において最も大切なことは「中庸」であると僕は考える。ミトコンドリアという存在は極めて中庸的であり、人間の身体にとって不可欠な存在である。
この本質的な存在を、激ゆるのキャラクター化し、絵本を通じて子どもたちに伝えていけることは、教育というフィールドへの自然な接続である。これはとても面白い試みだと思っている。
精密栄養学の学びは、自身の体を使った実践から始まった。
現在は次のステップとして、健康に悩みを抱える身近な友人たちにも実践をしてもらいはじめている。「ヘルスパートナー」として協力してもらい、僕が提案する食事法やサプリメントの活用を通じて、体調の変化や反応を観察してもらっている。
現在は、そのリアルなフィードバックをもとに実践知を蓄積している段階である。このフェーズをひとつの区切りとし、今後は本格的にパーソナルヘルスケアのサービスとして事業化していく。
こちらは分子栄養学を基にした僕オリジナルの「ミト・フロウ・プロトコル」を用いた健康指導法に対し、最終的な目標は精密栄養学を土台に、個人の体調や生活習慣、遺伝子や血液データを読み解いて最適な提案を行う「バイオロジカル・データアナリスト」としての活動である。
そして、本日からは新たに二つのプロジェクトを開始する。
ひとつは、100%AI生成による映像制作である。ただ作るだけでは凡庸であるため、1ヶ月間で何本制作できるかという“実験”を兼ねて行う。目標は30本。
もうひとつは、「Shine a Light」をテーマにした写真集の制作である。実は3月にもプロトタイプ的に撮影を行っていたが、テーマ設定が曖昧だったために形にはできなかった。今回は明確なテーマを設定し、「これなら続けられる」というスタイルに落とし込んだうえで、毎日撮影を継続していく。
いずれのプロジェクトも限りなく面白いが、決して簡単ではない。しかし、なんとか形にしていきたいと考えている。そしてこのプロセスの中で、点だった構想がさらに線となり、立体的なビジョンへと進化していくはずである。
ただ、ひとつだけ確信していることがある。
AI動画生成をマスターすれば、「動くミトちゃん」に出会える日がやってくるということだ。僕はそれを日常的に娘に見せる日も来るのかもしれない。
結び──生成の場から発信の場へ
Hyperpast Journalは、単なる裏話の倉庫ではない。それは、A面へ向かうための準備室であり、発信と内省が循環するためのサイクルの起点である。
思考の整理、未来への布石、作品の構想、価値観の精製——すべてはこのB面から始まり、やがてA面に届いていく。
そしてこの回転を止めずに続けることが、僕にとっての“ジャーナルを持つ意味”なのだ。だから今後も書き続けたいと思っている。まるで転がる石のように。
ただ一方で、このHyperpast Journalも現時点で終わりを見据えている。書く時間があるなら(インプット)、作る時間に充てたいからだ(アウトプット)。その時はまた新しい形で何かを表現すると思う。
今年の1月にこんな事書いてました。この時想像していたこととは全くベクトルが違っています。もっと遠くへ行こうと思います。面白いですね。
Comments by daisuke kobayashi
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