過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。

海や山から川へ、街から現場へ。気温が読めない春という季節において、僕が最後の保険として持ち出すジャケットがある。

それが、パタゴニアのメンズ・ナノ・パフ・フィッツロイ・トラウト・フーディだ。

ナノ・パフの安心感に、遊び心を足して

ナノ・パフはパタゴニアを代表する中綿ジャケット。軽量・コンパクトで、濡れても暖かいプリマロフト・ゴールドを使用している。

この「フィッツロイ・トラウト・フーディ」は、背中にパタゴニアの象徴でもあるフィッツロイ・トラウトのプリントが大胆に入ったモデル。 ロゴ系の派手さとは違い、ちょっと“ウィットの効いた主張”が背中に一枚貼りついているようなデザインが気に入っている。

軽量で、いつでもバッグに入る

春の釣行や撮影は、朝晩の寒暖差が激しい。そんなとき、荷物としてのストレスがなく、着れば暖かく、脱いだらコンパクトに畳めるナノ・パフはやはり強い。

車移動のとき、地磯に降りるとき、ちょっとした買い出しの途中、肩にかけていても気にならないし、トートバッグに入れてもかさばらない。

薄くても、冷気を跳ね返す力がある。それがこのジャケットを「最後の一枚」にしている理由だ。

濡れても暖かい=春の安心

プリマロフト・ゴールド・インサレーションを使用したこのジャケットは、水に濡れても保温性を失いにくい。 春の雨や磯のしぶき、朝露、川辺の湿気──そういった“微妙な濡れ”が多いシーズンにはとても頼もしい。

かといってオーバースペックすぎず、ちょうど良い厚みと軽さで、体温調整がしやすいのも好印象。また、表地はリサイクル・ポリエステル素材のリップストップで作られており、薄手ながらも驚くほどの耐久性がある。岩場での撮影や釣行中に擦れても破れにくく、多少ラフに扱っても安心できる頑丈さがある。 春のレイヤリングの中では、ミドルにもアウターにもなれる“間”の存在として重宝している。

信頼とユーモアの、ちょうど真ん中

このナノ・パフ・フィッツロイ・トラウト・フーディは、信頼性とちょっとした遊び心が同居した一着だ。

見た目は静か。背中で語るタイプ。だけど、いざというときにきちんと暖かい。その頼もしさが、毎年春になると手に取ってしまう理由だ。

いつものナノ・パフではちょっと物足りない。だけど機能性はそのまま欲しい──そんな人にとって、これはちょうどいい「中間地点」のようなギアだと思う。