過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。

春という季節は、想像以上に難しい。日中は陽光が差し込み、少し動けば汗ばむほど。でも朝夕は一気に気温が下がり、フィールドや山間部では冬に引き戻される瞬間さえある。風が吹き抜ければ、陽のぬくもりなど一瞬でかき消されるし、日陰と日向ではまるで別世界。

さらに、動いている時と止まっている時とで体感温度の差が激しく、服装の選択がその日の快適さを大きく左右する。レイヤリングで調整するにも限界があり、「脱ぐ」「着る」を繰り返していると集中力もそがれてしまう。

そんな“読めない季節”を快適に、そしてストレスなく乗り切るための一着が、パタゴニアのナノ・エア・フーディだ。

動き続けるための軽量アウター

一般的に暖かさを重視したアウターといえば、止まっているときに着る「保温着」というイメージが強い。でもナノ・エア・フーディは違う。これは”着たまま動ける”ことを前提に設計されている。

実際に撮影現場でのセッティング作業や、春先のフィールド整備など、活動量の多い状況でも蒸れにくく、風も適度に防ぎ、着ていて邪魔にならない。着ることで制限されるのではなく、むしろ自由度が増すという感覚を覚える。

ストレッチ性と通気性で、温度をコントロール

ナノ・エア・フーディ最大の特徴は、ストレッチの効いた外側のシェルと、通気性の高い独自の保温素材(フルレンジ・インサレーション)だ。これが身体の動きに合わせて伸び縮みし、熱をこもらせず、適切に抜いてくれる。

春先は動けば暑いが、止まれば寒い。そんな一日の中で何度も着脱を繰り返すのは面倒だし、集中力も途切れる。その点、ナノエアは着たままやり過ごせる安心感がある。

着心地は軽く、気持ちも軽くなる

ナノ・エア・フーディのもうひとつの魅力は、その高いモバイル性にある。嵩張らず、ザックに入れても邪魔にならない。必要なときにすぐ取り出せて、行動を止めることなく羽織れる──これが日々の現場や旅先で、どれほど大きな利点になるかを何度も実感している。

たとえば山間部から街に戻る移動の途中で、気温が急に下がったとき。あるいは朝方の光が差し込む前の撮影開始前。そんな“少し肌寒い瞬間”にサッと羽織れるこの一着は、常に行動のテンポを保ってくれる存在だ。

肌触りはソフトで、裏地も滑らか。ごわつきが少なく、ザックを背負っても違和感がない。動いていて気になる箇所がひとつもないのは、このジャケットの設計がよほど緻密であることの証明だと思う。

実際、撮影や釣行でナノエアを羽織る日は、余計なことを考えずに行動に集中できる。衣服としての存在を意識しない──これこそ、僕が服に求めている最大の機能かもしれない。

もう少し通気性がほしい人へ

もし、ナノ・エア・フーディでも少し暑く感じる場面があるなら、選択肢として挙げたいのがメンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・フーディだ。こちらはさらに軽量で、脇や背中に高い通気性を持つ素材が使われており、よりアクティブな動きに対応できる。

汗をかきやすい人や、標高差のある移動を頻繁に行う人には、こちらの方が快適に感じる場面もあるかもしれない。

春の「迷い」を1枚で解決する

春は、寒さと暑さが共存する季節だ。そのせいで服装にも迷いが生まれる。でもナノ・エア・フーディが1枚あると、その迷いの多くが消える。

どこに行くにも、とりあえず持っておけば間違いない。着てしまえば気温のことを忘れられるし、脱いでも邪魔にならない。山にも街にも、早朝にも夕方にも、さっと寄り添ってくれる。

決して派手ではないけれど、日々を軽やかに、生きやすくしてくれる一着。パタゴニアの思想ではなく、機能そのもので選びたくなる、僕にとって春の相棒だ。