過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターの DAISUKE KOBAYASHI です。
2025年4月21日。とある仕事で僕は大阪にいた。そして車の事故に遭った。
ここでは詳細は書かないが、車が廃車となるレベルの事故だった。
それをきっかけに、今まで進めていたすべてのプロジェクトが一時停止した。
2025年2月から僕は精密栄養学というあたらしい栄養学を自ら学び始め、自分の身体と徹底的に向き合ってきた。そうした学びはこのサイトに記録してある。
https://hyperpast-journal.xyz/40-health-leanig-journal
食事を整え、睡眠の質を上げ、必要なサプリメントを取り入れ、代謝や血流、神経系にまで意識を向けていた。
おそらく通常では考えられないほどの健康への学びと実践を僕はしていたと自負している。
身体が整えば、集中力も持続し、創作のエネルギーが安定してくる。そう信じて実践を重ねてきたし、その成果がまさに見えてきたときだった。
だからこそ、今回の出来事は衝撃だった。物理的にも精神的にもすごい衝動だった。
これほどまでに、外的な要因がいとも簡単に身体と精神のリズムを崩してしまうのかと…
事故後、左肩に力が入れずらくなり、左腕がダルい感覚が常につきまうようになり、大きな違和感が残った。
外傷はないし、アザもない。大きな痛みではないが、身体全体にブレーキがかかったような感覚で、その影響は身体だけではなく思考にも及んだ。
病院に行ったり、保険屋とやり取りしたり、そうした無駄な時間を過ごさなければいけないことに憤りを感じるし、無性に腹が立つこともあった。特に僕は、時間と健康と身体を一番大切にしているので、そうしたストレスは尚更だ。
通う病院では日本の偏ったメディアによるアメリカのニュースを、老人たちが延々と見つめるその空気に僕は滅入ってしまうこともあった。僕は気を紛らわすためにイヤフォンとiPhoneでひたすら精密栄養学の学習をしていた。
進めていた仕事やプロジェクトは複数あった。
『Shine a Light』写真集の4月号構成と撮影、精密栄養学の学びと記録、ミトコンドリアをテーマにした健康サービス『ミトフロー』の整備と広報、絵本シリーズ「ミトちゃんといのちのなかまたち」の制作、新刊『健康とは、カウンターカルチャーである』の広報活動、そして健康サービス『ミトフロー』の書籍執筆、クライアントワークの撮影準備。
全部が並行して動き出していたタイミングだった。
事故のあとは、それらのプロジェクトに手が伸びなかった。というか事故後の処理に追われてそれどころではなかった。
頭の中では「やらなければ」と繰り返しているのに、実際には体も心も動かない。
とはいってもこれまで積み上げてきた健康の知識や実践は、まったく無意味だったわけではない。むしろ、健康実践のベースがあったからこそ、崩れたあとにも焦らず、少しずつ戻す力が働いた。だが、「守りきれなかった」という実感は強く残った。
今回の一件で、健康とは内側からの積み重ねだけではなく、外からの衝撃に対してどう耐えられるかという視点も必要だと強く痛感した。
外的な出来事が一瞬で積み重ねを壊す可能性があるという現実に直面し、健康を守ることの意味を見直さざるを得なかった。
事故後からこれを書いているのは4日後の早朝。このままではダメだと追われる日々の中で、徐々にやることを戻していこうと決意のための執筆でもある。
お風呂に入り、しっかり栄養素を取り、体を動かし、ノートを開く。優先順位を入れ替え、再開のための下準備を整えていく。事故後はなにかとバタバタしており、身体のことを考えている余裕がなく、久しぶりにストックしていたインスタントラーメンを食べてしまったが、そうしたサイクルも再設計していかなければいけない。
取り組む順番、時間の使い方、何をいったん保留にするか。再スタートに必要なのは気合いではなく、配列の調整だった。思っていたより、復帰には手間がかかる。体力の落ち方は地味で、回復のテンポも遅い。だが、今の状態を元に戻す対象とは考えていない。
これは再設計だ。これまでのテンポをなぞるのではなく、今の体と頭に合った運用方法を探している。
回復を焦ると余計に遅れる。この実感は、以前なら理解できなかったかもしれない。精密栄養学をベースにしているからこそ、今の自分の状態を正確に捉えることを大事にした。
一気に戻すのではなく、時間をかけ、段階的に負荷をかけ、反応を観察する。これは、健康にも仕事にも共通している。
復帰の準備として、まずどの仕事から戻すかを明確にした。
最初は身体に負担の少ない作業から。
次に短時間で成果が見えるもの。
そして徐々に、集中力を必要とするプロジェクトに戻す。
写真集の制作は、すぐに再開するようにした。空白ができてしまったが仕方がない。その空白すらも作品に落とし込んでやろうとポジティブに切り替えることにした。
これはもはや技術の問題ではなく、精神的な感度の問題だ。
だから、まずは撮らない時間を肯定した。
無理に撮影するのではなく、景色をただ観察することに時間を使った。
「再開」は作業ではなく、自然な行為として戻ってくるべきだと思った。
文章については、こうして書き始めている。
今の状態を書くことは、思考と気持ちの整理に直結する。
誰かに見せるためではなく、自分の現状を記録するための行為。
すべての作業を、少しずつ戻していく。
業務の再編成とリズムの再構築。
焦らず、しかし確実に。
今回のことで得たのは、「外的要因への耐性」というテーマの重要性だ。
どれだけ整えていても、社会の中で生きる以上、それは避けられない。
だからこそ、何があっても立て直せる「柔軟な運用体制」を持つことが必要だ。
そして、今回の事故がすべて落ち着いたら書籍を書くことを決めた。こうして僕のように理不尽な事故に遭い、理不尽な想いをしている人たちが多くいると感じた。そうした人たちが思わぬ事故に遭ってしまった際の、参考と覚悟のようなことをテーマに書いていきたいと思っている。
体調、仕事、生活、すべての再設計が進行中だ。
戻すのではなく、見直す。
時間はかかるかもしれないが、それでいい。
と、そう思えるようになってきた。
Comments by daisuke kobayashi
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