過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。
はじめに
#20では鉛の危険性とデトックス方法について。鉛は僕たちが生きていると無意識のうちになにかと触れている物質ですが、これが実は体に溜まっている可能性も否めません。そんな鉛対策について書いていきたいと思います。
「ヘルスラーニングジャーナル」とは?

ヘルスラーニングジャーナルとは、40代の僕が学んだ最新の健康・栄養に関する知識を整理し、記事化して発信していくシリーズです。
従来の栄養学から分子栄養学、そして精密栄養学へと進化している現在の流れを深掘りしながら進めています。
なぜ「ヘルスラーニングジャーナル」を書くのか?
健康に関する最新の研究は日々進化をしており、特に「精密栄養学」は個々の遺伝情報や腸内環境に基づいた新たな健康管理の鍵となっています。僕自身が最前線で学び、実践し記事にまとめることで、ウイルス対策やブレインフォグ、倦怠感など、従来の医療では解決しにくい症状の改善、要は「名もなき病」の対策・改善につなげたいと考えているのです。
みなさんもぜひ学び、実践し、より健康的で生産性のある未来を僕と一緒に目指しましょう!
現代社会に潜む鉛の脅威
僕たちは日常生活の中で様々な化学物質にさらされています。その中でも特に注意が必要なのが、鉛、水銀、カドミウム、ヒ素、アルミニウムといった重金属です。これらは体内に蓄積しやすく、長期的に健康に悪影響を及ぼします。
では、これらの重金属はどのようなタイミングで体内に蓄積してしまうのでしょうか?食事を通じて摂取されることが最も一般的ですが、呼吸による吸入や皮膚からの吸収も大きな経路となります。例えば、鉛粉塵が漂う環境で呼吸をすることで体内に取り込まれることもあります。また、輸入食品や食品包装材に微量の鉛が含まれていることもあり、気づかないうちに体内に蓄積していくのです。
かつて鉛はガソリン添加物として広く使用されていました。その結果、多くの人が知らず知らずのうちに鉛に暴露され、特に子供たちの発達に深刻な影響を与えていました。鉛は一度体内に取り込まれると、カルシウムと競合しやすく、骨に蓄積される性質があります。
これが後々の健康問題を引き起こす要因となって可能性があるのです。
鉛が人体に与える影響
鉛の毒性は非常に強く、特に子供や胎児に深刻な悪影響を及ぼします。神経系や排出機能が発達途中であるため、鉛を吸収しやすく、排出が難しいのです。その結果、成長の遅れやIQの低下、短期記憶障害、聴力低下といった問題が発生し、脳に永続的な損傷を与える可能性があります。
鉛はまた、免疫機能にも悪影響を及ぼすことが分かっています。血液中の鉛濃度が高いと、炎症を促進し、自己免疫疾患のリスクが増加する可能性があります。さらに、鉛が腸内環境に与える影響も無視できません。鉛は腸内フローラのバランスを崩し、腸のバリア機能を低下させることで、腸管からの毒素の吸収を増加させる可能性があります。
歴史的な事例として、作曲家のベートーベンは難聴に苦しんでいましたが、後の研究によって彼の毛髪から通常の約100倍の鉛が検出されたことが報告されています。当時のワインに鉛の化合物が使用されていたことや、鉛製のコップでワインを飲んでいたことが、その一因ではないかと考えられています。さらに、ローマ帝国時代の貴族たちが鉛製の器具を使用し、鉛中毒によって健康を損なったという記録も残っています。
これらの歴史的な事例からも、鉛が長期にわたって人体に蓄積し、健康を害する可能性が高いことが分かります。
日常生活の中で鉛にさらされるリスク
現代においても、鉛は私たちの生活のさまざまな場所に潜んでいます。古い住宅の塗料、鉛で汚染された土壌で栽培された野菜、輸入玩具や安価なアクセサリー、輸入缶詰食品の缶、タバコの煙、化粧品など、特に輸入品には鉛が含まれている場合があります。また、鉛蓄電池や合金製品、クリスタルガラス、美術工芸品、古い水道管なども注意が必要です。
鉛は体内に入るとカルシウムと結びつきやすい性質を持ち、骨に蓄積しやすくなります。これによってカルシウム代謝が阻害され、ビタミンDの活性化にも影響を及ぼします。ビタミンDは骨の健康を維持するだけでなく、免疫機能や筋肉の働きにも関与しているため、鉛による影響は全身に及ぶ可能性があるのです。
また、鉛は酸化ストレスを増大させ、細胞の老化を早めるだけでなく、DNA損傷のリスクも高めることが分かっています。これにより、慢性的な炎症が引き起こされ、免疫系のバランスが崩れる可能性があります。
さらに、鉛はホルモンバランスにも影響を与え、特に甲状腺機能の低下を招くことがあります。甲状腺ホルモンは代謝や体温調整に重要な役割を果たしているため、鉛が原因でエネルギー代謝が低下し、体の疲れや冷えを感じやすくなることもあります。
腎臓においても、鉛はフィルター機能を損ない、排出機能の低下を引き起こします。これにより、体内に余分な毒素が蓄積しやすくなり、長期的な腎機能障害のリスクが高まります。また、鉛が神経系に及ぼす影響も無視できません。特に中枢神経に作用し、神経伝達物質のバランスを乱すことで、注意力の低下や気分の変動、不眠などの症状が引き起こされることがあります。
このように、鉛は単に骨に蓄積するだけでなく、全身に影響を及ぼし、多岐にわたる健康リスクを引き起こす可能性があるため、誰もが一度、鉛が体内に蓄積していないかを調べたり、もしくは積極的にデトックスに励む行動が必要です。
ADHDや神経系への影響
特に注目すべきは、鉛がADHD(注意欠如・多動性障害)の発症リスクを高める可能性があることです。アメリカの研究では、血中鉛濃度が高い子供ほど、実行機能の低下や精神的な問題を抱えやすいことが報告されています。さらに、鉛はヘモグロビンの生成を阻害するため、脳に十分な酸素が行き渡らなくなり、認知機能の低下や集中力の欠如を引き起こす原因にもなります。
鉛は神経伝達物質であるギャバの働きを弱め、脳を落ち着かせる力を低下させます。その結果、神経の興奮が抑えられず、筋肉の痙攣や精神的な不安定を引き起こす可能性があります。さらに、記憶や学習に関わるNMDA型グルタミン酸受容体にも影響を与え、記憶力の低下が進むことが分かっています。
鉛のデトックスを促す栄養素
鉛の蓄積による健康被害を防ぐためには、体内からのデトックスを促進することが重要です。そのために役立つ栄養素はいくつか存在します。
タンニンを多く含む食品は鉛の排出を助ける働きがあります。ワインやお茶にはタンニンが豊富に含まれており、日常的に摂取することでデトックス効果を期待できます。
また、亜鉛とセレンも重要な役割を果たします。亜鉛は鉛による酸化ストレスを抑え、メタロチオネインというタンパク質の生成を促進し、鉛の排出を助けます。
亜鉛を摂取するためには、食事に意識的に亜鉛を多く含む食品を取り入れることが重要です。牡蠣は特に亜鉛の含有量が高く、1日分の推奨量を容易に摂取できます。他にも牛肉やラム肉、レバー、カボチャの種、カシューナッツ、ひよこ豆などが亜鉛を豊富に含んでいます。また、植物性の食品では豆類やナッツ類、全粒穀物にも比較的多くの亜鉛が含まれていますが、植物に含まれるフィチン酸が亜鉛の吸収を妨げることがあるため、発酵食品と一緒に摂ることで吸収率を高めることができます。
亜鉛は体内で合成できないミネラルであるため、食事からの摂取が不可欠です。特に加工食品を多く摂る現代の食生活では、亜鉛不足が問題視されています。食材選びを意識し、バランスよく摂取することで、鉛のデトックス効果を高めることができます。
セレンは必須ミネラルのひとつで、グルタチオンペルオキシダーゼという抗酸化酵素の働きを高め、鉛が脳に与える影響を軽減します。セレンを豊富に含む食品としては、ブラジルナッツが特に知られており、わずか数粒で1日の必要量を満たすことができます。また、魚介類ではマグロやカツオ、サーモン、エビなどがセレンの良い供給源となります。その他にも、卵、肉類(特に鶏肉や牛肉の肝臓)、全粒穀物、ヒマワリの種、しいたけなどのキノコ類にも含まれています。これらの食品をバランスよく摂取することで、セレンの抗酸化作用を活かし、鉛の影響を軽減することができます。
ビタミンCやビタミンEには強力な抗酸化作用があり、鉛による学習障害や記憶障害を軽減する効果が期待できます。また、ビタミンB6は鉛の解毒に役立ち、グルタチオンの合成にも必要です。さらに、乳酸菌やビフィズス菌といったプロバイオティクスも、腸内で鉛の吸収を防ぎ、排出を促進する効果があります。
ちなみに僕は体内の血中鉛濃度などを計測したことはないのですが(近い内にしたいと思っています!)、八重山クロレラとベントナイトという泥でデトックスに励んでいました。
八重山クロレラとベントナイトは、鉛のデトックスに有効とされていまして、クロレラはクロロフィルと細胞壁のキレート作用により、鉛を吸着し排出を促進するほか、グルタチオンの生成を増やし、肝臓の解毒をサポートします。また、抗酸化作用を持ち、鉛による酸化ストレスを軽減します。
一方、ベントナイトは腸内で鉛を吸着し、再吸収を防ぎながら体外へ排出する役割を持っています。さらに、腸内環境を整え、デトックス力を向上させる効果も期待ができます。これらを併用することで、クロレラが肝臓での解毒を、ベントナイトが腸での排出を助け、相乗効果が得られるのです。
効果の程は数値を見なければ解りませんが、体感としてはかなりありますよ。
継続的なデトックスが鍵
鉛は体内に蓄積しやすいため、一度のデトックスでは不十分です。日常的にデトックス効果のある食品や栄養素を摂取し、継続的に排出を促すことが重要です。また、鉛への暴露を避けるため、古い建物や輸入品など、身の回りの環境にも気を配る必要があります。
特に子供や胎児は鉛の影響を受けやすいため、早期に対策を取ることが不可欠です。健康的な食生活を心がけながら、鉛の蓄積を防ぎ、神経系への悪影響を最小限に抑える努力が求められます。
#21ではナイアシンについて書いてきたいと思います!
️ ️ヘルスラーニングジャーナル記事はこちらにまとめています。 ️ ️

Comments by daisuke kobayashi
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