Lines & Lives – Catching More Than Fishとは、釣りを切り口に、人と暮らしを映す映像です。
釣り人、釣り糸の先にあるのは、魚だけではありません。
その土地で暮らす人々の姿や、水辺で過ごす時間、そして何十年もかけて積み重なってきた日常があります。
水辺を歩けば、足音に混じって聞こえる波の音や鳥の声、ふとした会話が地域の輪郭を描き出し、目の前に物語として浮かび上がってきます。
僕は映像クリエイターであり、同じ釣り人でもあります。
釣り竿を握る手とカメラを構える手、その両方で見える景色は、釣果だけでは測れない価値を持っています。
だからこそ、釣り人のA面(技術や釣果)とB面(生き方や地域との関わり)の両方を記録したいと思ったのです。
3つの「Lines」に込めた意味
この作品タイトルには、3つの意味を込めています。
- Fishing Lines(釣り糸)
釣りという行為そのもの、水辺との関わり方。釣り場までの道のりや竿を振る瞬間も含め、魚とのやり取りを通じて生まれる時間の流れです。 - Life Lines(人生の線・軌跡)
釣り人の暮らしや、その土地で紡がれてきた日々の積み重ね。季節ごとの景色の変化や、世代を超えて受け継がれる知恵や習慣もここに含まれます。 - Lines of Dialogue(言葉のライン)
釣り場で交わされる言葉や、地域に根付く物語。漁港での何気ないやり取りや、地元の人しか知らない出来事が織り交ざり、映像に深みを与えます。
この3つの「ライン」を行き来しながら、魚を釣るための映像ではなく、人と地域の物語を映す映像として構築していきます。
パイロット版
今回、そのシリーズ化構想の第一歩として、試験的なパイロット版を制作しました。
従来の釣り映像が釣果やテクニックに焦点を当てるのに対し、僕が映したかったのは釣りと日々の暮らしの関係性です。
カメラが捉えるのは、潮の香り、足元の砂利の感触、漁港で交わされる何気ない会話。漁に向かう人の背中や、夕暮れに帰る船のエンジン音。そうした断片が集まり、地域の物語を紡いでいきたいと考えています。
釣りはそのきっかけにすぎず、レンズの先には“その人が生きている風景”があります。
これからについて
『Lines & Lives – Catching More Than Fish』は、これからも様々な水辺と人を訪ねる旅を続けていきたいと考えています。
釣果だけでは語れない、釣り人と地域のもうひとつの物語をお届けします。
次回作では、より深く地域文化や人々の生活背景に踏み込み、そこでしか生まれない映像と言葉を記録していければと思っていますが、これは簡単に作れるものではありません。
ですので、例えば各釣具メーカーやアウトドアブランドなどにアプローチをかけ、ご一緒できる企業や個人を見つけていきたいと考えています。
このシリーズが、釣りをする方だけでなく、地域や暮らしに関心のある方にとっても新たな発見や共感を届けられることを願っています。
Comments by daisuke kobayashi
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