過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターDAISUKE KOBAYASHIです。
今回はULライフにおけるベースレイヤーの重要性について書いていきたい。僕は3年ほど前から徹底的に今の生活を見直している。そのひとつに”衣類選び”があるのだが、以前であればコットンなどを選択していた。しかしコットンは頑丈ではあるが重く、乾燥しにくく、何かと扱いづらい。そうしたモノの着用は止めることにし、完全に機能性を重視したモノを選ぶようにしてきた。
そんな機能性重視の衣類の中でも地味ながらも重要な役割を持つのが”ベースレイヤー”だ。
ではULなライフスタイルにおける、僕のベースレイヤー論をいってみよう。
UL(ウルトラライト)ライフにおけるベースレイヤーの重要性
UL(ウルトラライト)なライフスタイルでは、軽量で機能的なギア選びが重要視される。その中でも、最も身体に密接する「ベースレイヤー」は、単なる衣類ではなく、快適性や体温調整、汗処理といった機能を担う重要な要素だ。僕はこれを”第二の皮膚”、または”もう一枚皮膚を作る作業”と呼んでいる。
一般的なアウトドアにおいてもベースレイヤーは重要とされるが、ULライフにおいてもそれは同様だ。もしくは同様以上だ。重量の削減だけでなく、乾燥性、通気性、保温性をバランスよく備えた素材を選ぶことで、少ない衣類でも快適に過ごせるようになる。
ベースレイヤーは、単に着るものではなく、身体と外界の間にある最初の防衛線として機能する。寒暖差の激しい環境では、適切なベースレイヤーがなければ、体温の急激な低下や汗冷えによる体力消耗を引き起こすこともある。そのため、単なる下着ではなく、パフォーマンスを支える重要なギアの一部として捉えるべきである。少なくとも僕はギアとして捉えている。
また、体が冷えて仕方がない人にとっても(僕だ)、ベースレイヤーの選択は極めて重要だ。冷え性の人は、体温調整が難しく、特に寒冷地や冬場においては深刻な影響を受けやすい(チアノーゼを余裕で起こしてしまう)。そのため、保温性と吸湿性に優れた素材を選ぶことが不可欠となる。
余談として僕は9月のオーストラリアのサーファーズパラダイスにあるマクドナルドに訪れた時、あまりの寒さにチアノーゼを起こしたことがあるほど寒がり…というか、体を温める機能が若干バグっているため注意が必要なのだ。
メリノウールは、天然の調湿機能を持ち、汗を吸収しながらも適切な温度を保つため、冷えを防ぐのに適している。また、二層構造のベースレイヤーを選び、肌側に保温性の高い素材、外側に速乾性の高い素材を組み合わせることで、より効果的に体温を維持できる。さらに、冬場にはネックゲイターやレギンスなどの追加レイヤーを活用することで、全身の温度調整をスムーズに行うことができる。
ULライフの視点から考えれば、こうした機能的なベースレイヤーを厳選することで、余計な衣類を持たずに済み、シンプルながらも快適な生活が実現できる。
そして、UL思考においては「持たないこと」が重要視されるため、ベースレイヤーの選び方次第で荷物全体の軽量化にも影響を及ぼす。例えば、吸湿速乾性の高い素材を選べば、洗濯後の乾燥時間を短縮し、衣類の枚数を減らすことができる。防臭性の高いウール素材を採用すれば、長期間の着用が可能になり、結果的に着替えの回数を減らすことができる。
さらに、ULライフでは快適性だけでなく、環境負荷を考慮することも重要だ。ベースレイヤーを選ぶ際には、耐久性があり長期間使用できる素材や、リサイクル素材を採用した製品を選ぶことで、無駄な消費を抑え、持続可能なライフスタイルを実現することにもつながる。
日常生活においても、ベースレイヤーの見直しは生活の質を向上させる一歩となる。仕事や移動中に快適な状態を維持できるかどうかは、衣類の選択にかかっている。特にULライフを意識するなら、アウトドアだけでなく、普段の衣服選びにも適用できる考え方だ。「身に着けるものを減らすことは、自由を増やすこと」——この哲学を実践するために、ベースレイヤーは欠かせない要素である。
ベースレイヤーの役割と選び方
ベースレイヤーの役割は大きく分けて以下の3つに分類できる。
- 吸湿・速乾性:汗を素早く吸収し、蒸発させることで体温調整を助ける。
- 保温性:外気温が低い場合でも体温を保持し、寒暖差によるストレスを軽減する。
- 快適性:肌に直接触れるため、チクチク感や蒸れを防ぐ滑らかな素材が理想。
ULの視点から考えると、これらの要素を兼ね備えながらも、最小限の枚数で済むベースレイヤーが望ましい。ウール、化繊、シルクといった素材ごとの特性を理解し、環境や活動内容に応じて適切なものを選ぶことが求められる。
ウールは吸湿性と防臭性に優れ、特にメリノウールは長時間の使用でも臭いが発生しにくく、快適な着用感を保つ。一方で、乾燥には時間がかかるため、頻繁な洗濯が必要な環境ではデメリットともなり得る。
化繊素材は速乾性と耐久性が魅力で、特にポリエステルやナイロン製のベースレイヤーは運動量の多いアクティビティに適している。ただし、静電気の発生や臭いの問題もあるため、抗菌加工などの工夫が施された製品を選ぶと良い。シルクは肌触りがよく、軽量で通気性も優れているが、耐久性にはやや欠けるため、繊細な取り扱いが必要だ。
さらに、これらの素材を適切に組み合わせることで、ULライフにおいてより効果的なレイヤリングが可能になる。例えば、ベースレイヤーとしてウールを着用し、その上に化繊素材のミッドレイヤーを重ねることで、保温性と速乾性を両立させるといった工夫ができる。また、暑い季節には薄手のポリエステルベースのメッシュ素材を選ぶことで、より高い通気性と速乾性を確保することができる。
参考までに僕は秋から春にかけてメリノウール入りのベースレイヤーを一枚、その上に化繊素材のモノを重ね着し、それを2セット用意し、約3日ごとに着まわしている。

ちなみに僕は基本的にパタゴニア製品を身に着けていることが多く、破れてきたメリノウールのベースレイヤーが修理が可能か問い合わせたら、「交換も可能ですが、流石に寿命です」とのお知らせがあったので、今でも気に入って着ている。
ULライフにおけるベースレイヤーの選択は、単なる素材選びにとどまらず、環境、行動スタイル、そして個々の快適性に最適化するプロセスでもある。持ち物を最小限にしつつ、最大の快適性を得るためには、適材適所での選択が不可欠である。
肌に触れるものを見直す
日常生活においても、肌に直接触れるものを見直すことは快適なライフスタイルを築く上で大切な要素となる。ULライフはアウトドアだけでなく、日々の暮らしにも適用できる考え方だ。
例えば、下着や靴下といったベースレイヤーの見直しだけでも、生活の質は大きく向上する。通気性の高い素材を選ぶことで夏場の不快感を軽減し、抗菌・防臭効果のある生地を使うことで洗濯の頻度を減らすことも可能になる。
肌に最も近いものこそ、自分のライフスタイルや価値観に合ったものを選ぶべきだ。ベースレイヤーを見直すことは、ただの衣類選びではなく、自分の生活そのものを見つめ直すきっかけとなるはずだ。
Comments by daisuke kobayashi
絶対にムカデを寄せ付けないアイテム4選
Warning: Attempt to read property "comment_post_ID" on string in /home/c7471475/public_html/hyperpast-journal.xyz/wp-content/plugins/wp-multibyte-patch/wp-multibyte-patch.php on line 248
Warning: Attempt to read property "comment_content" on string in /home/c7471475/public_html/hyperpast-journal.xyz/wp-content/plugins/wp-multibyte-patch/wp-multibyte-patch.php on line 249
徳島県南下の沖合に浮かぶ「出羽島」を空撮してきました
Warning: Attempt to read property "comment_post_ID" on string in /home/c7471475/public_html/hyperpast-journal.xyz/wp-content/plugins/wp-multibyte-patch/wp-multibyte-patch.php on line 248
Warning: Attempt to read property "comment_content" on string in /home/c7471475/public_html/hyperpast-journal.xyz/wp-content/plugins/wp-multibyte-patch/wp-multibyte-patch.php on line 249