過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。
はじめに
#19ではビタミンCについて書いていきたいと思います。ビタミンCというと、テレビやCMの影響でビタミンの王様のようなイメージがあり、「ビタミンC摂っておけばOK!」などと謎の印象すらありますが、どのような効果を持っているか詳しく知っている方は少ないと思います。今回はそんなビタミンCについて書いていきたいと思います。
「ヘルスラーニングジャーナル」とは?

ヘルスラーニングジャーナルとは、40代の僕が学んだ最新の健康・栄養に関する知識を整理し、記事化して発信していくシリーズです。
従来の栄養学から分子栄養学、そして精密栄養学へと進化している現在の流れを深掘りしながら進めています。
なぜ「ヘルスラーニングジャーナル」を書くのか?
健康に関する最新の研究は日々進化をしており、特に「精密栄養学」は個々の遺伝情報や腸内環境に基づいた新たな健康管理の鍵となっています。僕自身が最前線で学び、実践し記事にまとめることで、ウイルス対策やブレインフォグ、倦怠感など、従来の医療では解決しにくい症状の改善、要は「名もなき病」の対策・改善につなげたいと考えているのです。
みなさんもぜひ学び、実践し、より健康的で生産性のある未来を僕と一緒に目指しましょう!
ビタミンCの歴史的重要性
ビタミンCは、私たちの健康に欠かせない栄養素ですが、歴史的にも命を左右するほど重要な役割を果たしてきました。
大航海時代のヨーロッパでは、多くの船乗りが壊血病(ビタミンC不足による病気)に苦しみ、命を落とす危険にさらされていました。壊血病の症状は、皮膚や歯ぐきの出血、免疫力低下、慢性疲労、関節痛、貧血、創傷の治癒遅延などがあり、長期航海をする船乗りにとって致命的なものでした。
この発見をきっかけに、イギリス海軍は船乗りにレモンジュースの配給を義務化し、その結果、壊血病の発症率は劇的に低下しました。この歴史的な出来事が、ビタミンCの重要性を広く認識させるきっかけとなったのです。
日本の古来の栄養学とビタミンC不足
日本においても、ビタミンC不足が栄養学の発展のきっかけとなりました。江戸時代の日本では、保存食としての米や干物が主食とされ、新鮮な野菜や果物を摂取する機会が限られていました。この食生活の偏りが原因で、江戸患いと呼ばれる病気が広まりました。
江戸患いの症状は、脚気(ビタミンB1不足)とともに、皮膚や粘膜の異常、免疫低下などがあり、現代のビタミンC不足の症状と類似しています。当時の医師や学者たちは、このような病気の原因を探求し、食事の重要性に気付きました。味噌汁に野菜を加える、柑橘類を摂取するなどの食習慣が徐々に取り入れられ、結果として日本の栄養学の発展につながりました。
そして、この傾向は現在にも続いています。現代の日本においても、インスタント食品や加工食品の普及により、野菜や果物の摂取量が不足しがちです。特に忙しい生活を送る人々にとって、新鮮な食材を意識的に摂ることが難しくなっています。その結果、ビタミンC不足による免疫力の低下や肌トラブル、慢性疲労などの問題が増えているのです。
歴史を振り返ることで、食生活の改善が健康維持に不可欠であることがわかります。現代に生きる私たちも、過去の教訓を活かし、ビタミンCを意識的に摂取することが求められています。
そもそもビタミンCとは?

ビタミンC(アスコルビン酸)は、水溶性ビタミンの一種であり、体内のさまざまな機能をサポートする重要な栄養素です。特に強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素による細胞の損傷を防ぎ、老化や慢性疾患のリスクを軽減する働きをします。
人間の体内ではビタミンCを合成することができないため、食事やサプリメントからの摂取が不可欠です。野菜や果物に豊富に含まれ、適切な量を継続的に摂取することで、健康維持に大きな効果を発揮します。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、皮膚や血管、骨の健康を維持する役割を果たします。さらに、免疫機能を強化し、風邪や感染症から身を守る効果も期待できます。また、鉄の吸収を助けるため、鉄欠乏性貧血の予防にも有効です。
また、ストレスを受けたときに副腎がストレスホルモンを分泌する際、ビタミンCが大量に消費されるため、ストレスが多い現代社会では特に意識的な摂取が推奨されます。
その必要性と量は各個人によって大きくことなりますが、人によっては3時間おきにビタミンCを大量に摂取する人などいたりします。
このように、ビタミンCは美容・健康の両面で欠かせない栄養素であり、毎日の食生活の中で積極的に取り入れることが重要です。
ビタミンCの主な健康効果
ビタミンCは私たちの体のさまざまな機能に関与し、健康を維持するために重要な役割を果たしています。特に、抗酸化作用、免疫力の向上、コラーゲン生成、ストレス耐性の向上、目の健康維持など、多岐にわたる健康効果が期待できます。以下にその主な効果について詳しく説明します。
強力な抗酸化作用
ビタミンCは活性酸素を中和し、細胞の老化やダメージを防ぐ働きを持っています。これにより、肌の老化防止や美肌効果が期待できます。
このあたりはCM等でよくご存知の方も多いと思います。
コラーゲン生成を促進
ビタミンCは体内でコラーゲンの合成を助けるため、肌のハリや弾力を保つだけでなく、傷の治癒を促進します。
免疫機能の向上
ビタミンCは免疫細胞(白血球やリンパ球)を活性化し、感染症の予防や回復を促進します。また、酸化ストレスから免疫細胞を守る働きもあります。
特に、ビタミンCは白血球の中でも好中球やマクロファージの機能を高め、細菌やウイルスに対する抵抗力を強化します。さらに、炎症反応を調整し、免疫系が過剰に反応するのを防ぐ役割も果たします。
また、ビタミンCはインターフェロンという抗ウイルス物質の分泌を促進し、ウイルス感染時の体の防御力を高めます。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなるだけでなく、回復を早める効果も期待できます。
さらに、ストレスがかかると体内のビタミンCが急速に消費されるため、ストレスの多い状況では積極的な摂取が重要です。研究によると、ビタミンCを十分に摂取することで、ストレスホルモンの分泌を調整し、精神的な安定にも貢献すると考えられています。
ストレス対応をサポート
ストレスを感じると、体内のビタミンCの消費量が急激に増加します。特に副腎では、ストレスホルモン(コルチゾール、アドレナリン)を生成するために大量のビタミンCを必要とします。副腎におけるビタミンCの役割は、ホルモン分泌の調整やストレスへの適応を助けることにあります。
また、ストレスがかかると、体内の炎症レベルが上昇し、酸化ストレスが増加します。ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、これらの酸化ダメージから細胞を守ることで、慢性的なストレスによる影響を軽減します。研究によると、十分なビタミンCを摂取すると、ストレスホルモンの過剰な分泌が抑えられ、心身のバランスが整いやすくなることが示唆されています。
さらに、ビタミンCは神経伝達物質の合成にも関与しており、特にセロトニンやドーパミンといった「幸せホルモン」の生成を助けることで、精神的な安定をもたらします。そのため、ビタミンCが不足すると、ストレス耐性が低下し、気分の落ち込みや疲労感が増すことがあります。
現代社会においては、仕事や生活のストレスが避けられない状況が多いため、ビタミンCを積極的に補給することが心身の健康を維持するために重要です。ストレスが多いと感じたときには、食事やサプリメントでの補給を意識し、心と体をサポートしましょう。
目の健康維持
ビタミンCは水晶体に多く含まれ、白内障のリスクを低減すると考えられています。水晶体は紫外線や酸化ストレスの影響を強く受ける部位であり、ビタミンCの強力な抗酸化作用がこれらのダメージから目を守る働きをします。
また、ビタミンCは眼球内のコラーゲン合成にも関与し、角膜や結膜の健康を維持する役割を果たします。不足すると目の乾燥や炎症を引き起こしやすくなり、視力低下のリスクも高まる可能性があります。
さらに、ビタミンCは眼圧を調整する働きも持っており、緑内障のリスクを軽減する可能性が示唆されています。研究によると、ビタミンCの適切な摂取が眼圧の上昇を抑え、眼の健康をサポートする効果があるとされています。
目の健康を維持するためには、日常的にビタミンCを摂取することが重要です。特にデジタル機器の使用が増え、目の疲労が蓄積しやすい現代では、抗酸化作用を持つビタミンCを意識的に摂ることで、目の健康を守ることができます。
効果的なビタミンCの摂取方法
食事からの摂取
ビタミンCは野菜や果物からの摂取が最も効率的です。特に以下の食品に多く含まれています。
- 野菜類:ピーマン(特に赤ピーマン)、ブロッコリー、ケール、ほうれん草、キャベツ、芽キャベツ、カリフラワー、大根の葉
- 果物類:キウイ、イチゴ、柑橘類(オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ライム)、アセロラ、パパイヤ、マンゴー、パイナップル
- その他:じゃがいも、さつまいも、トマト
- ピーマン、ブロッコリー、ケール(加熱を最小限に)
- キウイ、イチゴ、柑橘類(生で食べる)
調理方法の工夫
- 茹でるとビタミンCが水に溶け出すため、蒸し料理や電子レンジ調理が推奨されます。
- 短時間で加熱することで、ビタミンCの損失を最小限にできます。
サプリメントでの摂取
ビタミンCは水溶性のため、一度に大量摂取しても尿として排出されてしまいます。そのため、こまめに摂取するのが効果的です。
おすすめのサプリメント:
- リポソームビタミンC(脂質で包まれたビタミンCで吸収率が高い)
- エスターC(持続吸収型のビタミンC)
- アスコルビルパルミテート(脂溶性ビタミンCで吸収が良い)
高濃度ビタミンC点滴
がん治療や慢性疲労対策として、高濃度ビタミンC点滴が医療現場で活用されています。血中に直接ビタミンCを届けることで、経口摂取よりも強力な効果が得られます。
随分と昔、20代の時に歩けないほどの風邪をひき、内科に診察に行き、点滴をしてもらったことがありますが、その時にお医者さんが点滴をおすすめしてくれたことがありまして、試しにしてみると驚くほど効果があった経験があります。打ってもらった数分後からうそのように歩けるようになり、びっくりするほど回復したのです。
今思えばそれは高濃度ビタミンCの点滴だったと記憶していまして、それ以降は”倒れそうになったら点滴”と考えていますが、幸いそれ以降そこまで酷い症状の病気にはかかったことはありません。
まとめ
ビタミンCは、抗酸化作用・免疫力向上・コラーゲン生成促進・ストレス耐性強化・目の健康維持など、私たちの健康に欠かせない栄養素です。
特に現代社会では、ストレスや環境汚染による酸化ストレスが増えており、ビタミンCの積極的な摂取が求められます。食事から効率よく摂取することはもちろん、調理方法やサプリメントの活用も大切です。
また、ビタミンCは水溶性で体内に蓄積されにくいため、毎日こまめに摂取することが健康維持の鍵となります。食事だけでなく、適切なサプリメントを活用しながら、バランスの取れたビタミンCの摂取を心がけましょう。
効率的な摂取方法を取り入れ、日々の生活にビタミンCを積極的に取り入れましょう!
#20では鉛について書いてきたいと思います!
️ ️ヘルスラーニングジャーナル記事はこちらにまとめています。 ️ ️

Comments by daisuke kobayashi
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