過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。

はじめに

ULフィッシングは、最小限の装備で最大限の自由を得ることを目指す、僕が提唱している釣りのスタイルです。

最小限の装備から得られる快適性は、単に装備を軽くすることだけで実現できるものではありません。軽量化がもたらす恩恵と、釣りそのものの楽しさを最大化するためには、適切なバランスを見極めることが重要になります。本記事では、ULフィッシングにおける快適性の本質について掘り下げていきます。

こちらにまとめていきます👇️

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日本最大の釣りウェブメディア『釣りハック』にて記事も寄稿しておりますので、こちらも参考に。

快適性とは何か?

ULフィッシングの快適性は、単に「軽量であること」だけで決まるものではなく、「装備の機能性」「行動の自由度」「道具との調和」といった多面的な要素の組み合わせによって生まれます。要は軽量だけに偏った考え方ではなく、あくまでもバランスが重要であり、それに合わせたしなりある柔軟性が大切です。

栄養素が偏ってしまうと考え方も偏ってしまうのと同様に、やじろべえのようにバランスをうまく取りながら保っている状態がULフィッシングの本質です。

軽量化は釣りの機動力を高め、より自由なフィッシングスタイルを可能にしますが、単純に軽くすればするほど快適になるわけではありません。

たとえば、超軽量のタックルを選ぶことで携帯性は向上しますが、強風時のキャスト精度が低下することもあります。また、極細ラインを使用すれば感度は向上するものの、耐久性が落ち、魚とのやり取りで不利になる場合もあります。そもそも釣り負けて獲れないこともあります。

軽さだけを求めると、結果として釣りの楽しさや安定性が犠牲になることもあるのです。

快適性とは、単なる重量の削減ではなく、装備が釣り人(各個人)の感覚と調和し、環境(その釣り場やスポット)に適応し、ストレスなく行動できる状態を指します。それは、釣りに没頭できる精神的な余裕を生み、フィールドに溶け込むような感覚をもたらします。このバランスを見極めることが、ULフィッシングをより快適で充実したものにする鍵となるのです。

軽量化のバランスと限界

軽量化はULフィッシングの基本ですが、「最小限」と「必要十分」の違いを理解することが重要です。たとえば、極端に軽量なロッドやリールは、操作性や耐久性を犠牲にする可能性があります。

たとえば、極端に細いラインを使用すれば感度は向上しますが、風の影響を受けやすくなり、操作の難易度が上がることもあります。軽さを追求する一方で、実際の釣行における「扱いやすさ」や「耐久性」とのバランスを取ることが、快適性の鍵となります。

行動の自由度を高める適応力

ULフィッシングは、より遠くへ移動し、多くのポイントを探ることができるのが特徴です。しかし、快適に釣りを続けるためには、装備の軽さだけでなく、環境への適応力が求められます。

たとえば、渓流での釣りでは、歩行距離が長くなるため、足元の装備が重要になります。軽量でありながらクッション性のあるウェーディングシューズを選ぶことで、長時間の釣行でも足の疲労を軽減できます。また、防水性と通気性を兼ね備えたウェアを選ぶことで、気温や天候の変化に柔軟に対応できるようになります。

道具との一体感が生む快適性

ULフィッシングでは、道具と釣り人が一体となる感覚が快適性につながります。軽量すぎるロッドではキャスト時に安定感を失い、逆に重すぎると長時間の釣行で疲労が蓄積されます。

理想的なロッドは、「適度な感度と操作性を兼ね備えたバランスの良い設計」のものです。それは自分にとって。ロッドのグリップが手に馴染み、適度な反発力を持ちつつ、ラインの感度も十分に確保されていることで、釣りのしやすさが向上します。

僕はULフィッシング時においてのメインロッドは、メジャークラフトのソルパラの初代アジングゲームモデルです。これが良くも悪くも若干ダルく、大物とのやり取りをも可能にし、アジロッドとしては?な作りですが、結果ULフィッシングという領域で活躍してくれているのです。

このロッドで今まで考えられないほど相当な大物を獲ってきました!最新モデルもいつか購入してみたいと思っています。

環境に対する負荷の軽減

ULフィッシングは、環境との調和を考える上でも快適な釣りのあり方を追求できます。装備を最小限にすることで、フィールドへの影響を減らし、自然を尊重する釣りを実践できます。

例えば、コンパクトなバックパックひとつで釣行することで、荷物の量を最小限に抑え、釣り場の環境に優しいスタイルを実現できます。また、必要な魚だけキャッチし、できる限り根掛かりしても回収できるタックルセッティングを心がけることで、持続可能な釣り文化を育てることができます。

僕はPE1号にリーダー20lb、ロッドはアジ用、リールは2500番代なんてことも多々ありまして、結果子根掛かりしたルアーを回収できる確率がかなり高くなっています。

ULフィッシングにおける快適性の追求

ULフィッシングの快適性を最大限に引き出すためには、装備の軽量化だけでなく、それぞれの道具が持つ役割や釣り人のスタイルに合った選択が求められます。

例えば、軽量化を優先するあまりに極端に小型のリールを選んだ場合、ラインキャパシティの不足やドラグ性能の低下が起こり、釣りの快適性が損なわれる可能性があります。

快適性を確保するためには、以下の要素を意識し、バランスの取れた装備を整えることが重要です。

  • 適度な軽量化:無駄な重量を削減しつつ、必要な強度と機能性を確保する。
  • フィールドへの適応力:環境に応じた装備を選び、天候や地形の変化に対応できるようにする。
  • 疲れにくい装備選び:ロッド、リール、ウェア、シューズなどのバランスを考慮し、長時間の釣行でも快適に過ごせるようにする。
  • 環境負荷の軽減:持ち込む荷物を最小限にし、自然との調和を意識した釣りを心がける。

まとめ

ULフィッシングにおける「快適性」とは、単に軽量化を追求することではなく、装備の適切なバランス、行動の自由度、道具との一体感、そして環境との調和を考えたスタイルを構築することにあります。軽さを求めることは大切ですが、それが釣りの質を損なわないようにすることも同じくらい重要です。

快適性とは、装備と環境、そして釣り人自身の感覚が調和したときに生まれるものです。

自分にとって最適なULフィッシングスタイルを探し、より快適な釣行を実現していきましょう。ぜひ、UL Fishingも参考にしながら、新しい可能性を模索してみてください。