今日はマインドセットについて。
マインドセットとは、その人がこれまでに受けてきた教育、経験、周囲の環境などから作られた「無意識の思い込み」や「価値観」であり、僕たちは無意識のうちに、このマインドセットというフィルターを通して物事を見て、判断をし、行動しているのですが、先日友人と話をしていて、そもそものマインドセットの違いをかなり感じたので、記事を書いてみることにしました。
それはどんな違いかなのかというと、端的に書くなら健康感について。
前提として、僕は精密栄養学の知識を持つパーソナルヘルスケアサービスを行っている人間で、友人は栄養学の知識はゼロと言って良いでしょう。
久しぶりに会った友人の顔を見た瞬間、彼は今体調が優れないのだろうなと僕は直感的に感じたのですが、聞いてみると案の定良くないと言います。
色々と試してはいるんだけど一向に良くならないと…
どんなことを試しているのか聞いてみると、食事を変えたりなどと彼なりに行動に移している様子。
ただ、精密栄養学を学ぶ僕の見立てでは詰めはかなり甘く、多分それでは身体は改善しないだろうなというのが正直な感想なんですが、それが正しいか正しくないかは本人に実践してもらわないと分からない領域の話です。
で、なにが言いたいのかというと、僕はここで「知識の差」について言いたいわけではありません。「精密栄養学を知っているから僕が正しくて、彼が間違っている」といった単純な話ではないのです。
知識の差ではなく、決定的に違いを感じたのはもっと手前にある「自分の身体をどう定義しているか」という、マインドセットそのものです。
多くの人が健康について語るとき、真っ先に「何を食べればいいか」「どのサプリが効くか」などといった手段を探します。
僕の友人もそうでした。彼は彼なりに努力し行動に移していた。しかし、その土台となるマインドセットが「身体はままならないもの」「運が良ければ治るもの」という受動的な状態のままだと、どれだけ良質な情報を仕入れても、それは単なる「点」としての知識で終わってしまう。
一方で、僕が持っているマインドセットはこうです。
「身体は入力(栄養・環境)に対して100%忠実に反応する精密なシステムであり、その差配は自分自身にある」。極めて能動的な前提。
このマインドセットが先にセットされているからこそ、不調を「運」ではなく「システムのエラー信号」として受け取れる。「なんとなく良さそう」ではなく「この反応を起こすためにこれが必要だ」という確信を持って動ける。
そして結果が出るまで詰めを甘くせずやり抜く動機が生まれる。
要するに、マインドセットというOSが書き換わっていない状態で、精密栄養学という最新アプリをインストールしようとしてもうまく作動しないのです。これは自分自身の実践から強く感じるところです。
「自分の身体の反応にはすべて理由があり、それは自分の手で最適化できる」
もちろんこの限りではありませんが、こうした前提を自分の中にインストールすること。これこそがあらゆる健康法を実践する以前に、僕たちが真っ先に立つべきスタート地点なのだと思います。
結局その日、僕は彼にうまく説明しきれませんでした。
ただ「血液検査のデータを解析するよ。そこがスタート地点だから」と伝えて、その場を終えました。
この時、僕は自分の無力さと同時に、一つの大切な気づきを得ました。
それは、健康をサポートする側には、ファシリテーターとしての役割が不可欠だということ。
たとえば薬物療法の世界では、治療そのものに入る前に「セッティング」と呼ばれる準備段階があります。患者の心理状態を整え、安心して変化を受け入れられる土壌をつくる工程です。
身体の改善もまったく同じで、本人のマインドセットをどうセットするかという準備段階が、実は最も重要なのだと思うのです。
どれだけ高度な栄養学の知識を持っていても、相手のOSが受動的なままであれば、僕の言葉はただの雑音として通り過ぎてしまう。実際、今まで多くの人に自分の健康観を話してきましたが、興味を持つ人は多くはありませんでした。セッティングを無視してきた僕の結果なのです。
結局そこなんです。前提というかセッティングというか。そうした状態を先ず作らないと先にはなにも進まないのです。
だから、僕が本当に困っている人たちの力になるためには、単に解析結果を伝えるだけではなく、小難しい情報を与えるのではなく、相手が自らの身体の主導権を握れるよう導けるよう、そのセッティングの技術を学ばなければならない。そう感じたのです。
知識を授ける専門家である前に、相手の身体に対する向き合い方を整える優れたファシリテーターでありたい。
友人の冴えない顔色を前にして、僕は自分の技術の先にある、もっと大きな責任の所在を突きつけられた気がしたのです。
少なくとも、僕のパーソナルヘルスケアサービスではそうありたいと思いました。
Comments by daisuke kobayashi
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