居酒屋のサラダが「地雷原」だった四半世紀
25年。
これは、僕が「自分は卵を食べるとお腹を壊す体質だ」と信じ込み、卵を徹底的に避けて生きてきた時間の長さである。
特に恐ろしかったのは「ゆで卵」だ。
友人との楽しい飲み会、居酒屋で運ばれてくる色鮮やかなサラダ。その中に、ほんの少し細かく刻まれたゆで卵が混じっていることに気づかず食べてしまえば、僕の夜は一変する。
激しい腹痛、そしてトイレへ駆け込む。楽しい時間は一瞬で霧散し、帰りの電車では冷や汗を流しながら「なぜ自分はこんなに面倒な体質なのだろう」と自責の念に駆られる。そんな日々が四半世紀も続いたのだ。
しかし、現在の僕はどうだろうか。
驚かれるかもしれないが、僕は今、毎日4個の卵を食べている。
お腹を壊すことは一切ない。むしろ、卵は僕の体格と活力を維持するための「最強のタンパク源」となっている。
なぜ、25年も続いた「体質」が、わずか1年足らずで変わってしまったのか。その裏側には、僕が必死に学んだ「栄養学」と、それに基づいた「体の土台作り」という大きなパラダイムシフトがあった。
25年に及ぶ「卵アレルギー」との付き合い
僕が卵、特に加熱した卵(ゆで卵など)で腹痛を起こすようになったのは、今から25年ほど前のことだ。
当時、愛知県に住んでいた時の話だ。その頃まだ喫茶店が多く存在し、朝からモーニングを楽しむ文化はまだまだ溢れていた。コーヒーを頼むとトーストとゆで卵、サラダがついてくる。
少年ジャンプを読み、タバコを吸い、コーヒーを飲む。平和な時間がそこには流れている。そして合わせてゆで卵も食べる。しかし10分ほど経つと僕のお腹は一変。大変なことになりトイレへと駆け込む。
最初はゆで卵が原因というよりは、「コーヒーかな?」「たまたま体調が悪かったのか?」程度に考えていた。しかし、二度、三度と繰り返すうちに、それは確信へと変わった。「僕は、卵を食べてはいけない体なのだ(特にゆで卵)」と。
医学的に厳密な検査を受けたわけではなかったが、症状は残酷なほど明らかだった。とにかく食べた10分後には激しい下痢を起こす。
ダメなのは生卵やゆで卵。一方で作りたてのゆで卵や炒り卵は大丈夫というう謎めいた性質ももっていたから、100%食べられないわけではないし、あたる時とあたらない時があるから、自分でも全くよく分かっていなかった。
しかし世の中には「アレルギー」という言葉がある。僕は自分を「卵アレルギー」の一人だと思い込み、極力卵を排除する生活を選択した。
制限という名の不自由
現代社会において、卵を完全に避けるのは至難の業だ。
外食では常にアレルギー表示を気にし、菓子パンやスイーツ、つなぎに使われている加工食品に至るまで、あらゆるものに神経を尖らせる必要があった。
「体質だから仕方ない」
「これは僕の個体差であり、一生付き合っていくしかない制限なのだ」
そう自分に言い聞かせ、卵のない食卓を「当たり前」として受け入れてきた。それが僕の日常だった。
転機――「栄養学」が教えてくれた新しい視点
転機が訪れたのは、昨年(2025年)のことだ。
特定の不調を治したいという動機よりも、もっと根本的に「自分の健康を自分でコントロールしたい」という知的好奇心から、本格的に栄養学を学び始めた。精密栄養学だ。
そこで学んだのは、単なる「どの食材にどの栄養があるか」という表面的な知識ではない。「摂取した栄養素が、細胞レベルでどう代謝され、エネルギーに変換されるか」という、生化学的な体のメカニズムだった。
学びを深めるうちに、僕は一つの仮説に辿り着く。
「僕が卵でお腹を壊すのは、卵という『物質』が悪いのではない。僕の側の『受け入れ態勢(消化・代謝系)』が整っていないだけではないのか?」
多くの人が「アレルギー」や「体質」と呼んでいる現象の正体は、実は単なる「機能不全」に過ぎないのではないか。この気づきが、25年間の常識を覆す第一歩となった。
なぜ「体質」は変わるのか――腸内環境と代謝の科学
栄養学をベースに体を整える際、僕が着目したのは以下の3点だ。
1. 消化酵素の分泌能力
卵、特にタンパク質を消化するには強力な消化酵素が必要となる。長年のストレスや慢性的なタンパク質不足、あるいは特定のビタミン・ミネラルの欠乏により、僕の体は卵を分解するための「ハサミ(酵素)」を十分に作れなくなっていた可能性がある。
消化酵素そのものがタンパク質からできているため、不足が不足を呼ぶ「負のスパイラル」に陥っていたのだ。
2. 腸内環境(リーキーガットの修復)
腸の粘膜が荒れていると、未消化のタンパク質が血液中に漏れ出し、それを免疫系が「異物」とみなして攻撃を仕掛ける。これが腹痛や炎症の原因となる。
僕は、腸粘膜を修復するための栄養素(グルタミン、亜鉛、ビタミンAなど)を意識的に摂取し、腸の「バリア機能」を再構築することに専念した。
3. 代謝の柔軟性
食べたものを効率よくエネルギーに変えるためには、ビタミンB群やマグネシウムなどの「代謝の潤滑油」が欠かせない。これらが不足した状態では、体は入ってきた栄養を処理しきれず、結果として「排泄(下痢)」という強硬手段で自分を守ろうとする。
これらの「体の土台」を数ヶ月かけてじっくりと整えていった。
決して「卵を食べる練習」をしたわけではない。ただひたすら「人間が本来持っているはずの機能を、正常に動かせる状態に戻した」だけなのだ。
人体実験の結果――0個から4個への飛躍
体の土台を整え始めて数ヶ月が経ったある日、ふと何気なくゆで卵を食べてみた。30分経っても、1時間経っても、あの嫌な腹痛はやってこない。
翌日、1個丸ごと食べてみた。……大丈夫だ。
さらに翌日、2個。……全く問題ない。
そこからの変化は劇的だった。
「卵はダメなもの」という25年間のマインドブロックが音を立てて崩れ去り、僕は卵という食材の素晴らしさに改めて目を見張った。
卵は「完全栄養食」だ。
- ビタミンCと食物繊維以外のほぼ全ての栄養素をカバーしている
- アミノ酸スコア100という圧倒的な吸収効率
- 安価であり、調理のバリエーションも豊富
現在、僕は毎日4個の卵を食べている。
朝食に2個、昼食や間食に2個。
かつてサラダの隅に入っているだけで戦慄していたゆで卵が、今では僕の体を作るメインキャストであり、欠かすことのできないエネルギー源だ。
25年間、あんなに苦労していたのは一体何だったのか??
それは「卵が悪い」のでも「僕の運命」でもなく、単に「僕の体が栄養不足で、卵を処理できる状態になかった」という、極めて物理的な問題だったのである。
「体質」という言葉に隠された可能性
僕のこの体験から、皆さんに最も伝えたいことがある。
それは、「この食べ物は自分の体質に合わない」と感じていることの多くは、実は腸内環境や代謝が整っていないことによる一時的なエラーに過ぎないこともある、ということだ。
現代の僕たちは、ストレスや加工食品の摂取、不規則な生活によって、知らず知らずのうちに消化・吸収能力を低下させている。その結果として現れる「お腹を壊す」「肌が荒れる」「体が重い」といった症状を、僕たちは安易に「体質」という言葉で片付けてしまいがちだ。
しかし、「体質」は固定されたハードウェアではない。
日々摂取する栄養素というソフトウェアによって、常に書き換え可能なシステムなのだ。
僕たちがすべきこと
- 「合わない」を「一生の禁止」にしない
もちろん、重篤なアナフィラキシーは慎重に扱うべきだが、「食べると調子が悪くなる」程度の不調であれば、それは体からの「準備不足」というサインかもしれない。 - 「避ける」より「整える」
特定の食材を排除する「引き算」の健康法だけでなく、自分の体の機能を最大化するための「足し算(適切な栄養摂取)」に目を向けてほしい。 - 自分の体の可能性を信じる
25年ダメだったものが、わずか1年で変わる。人体には、それだけの自己修復能力と適応能力が備わっているのだ。
卵が教えてくれた人生の自由
卵が食べられるようになって、僕の人生の選択肢は大きく広がった。
外食でビクビクする必要がなくなり、旅行先での食事を心から楽しめるようになった。何より、「自分の体は自分の意志と知識で変えられる」という確固たる自信を手に入れたことが大きい。
もし、あなたにも「昔からこれが苦手」「これを食べると調子が悪くなる」というものがあるなら、一度だけ疑ってみてほしい。
それは本当に、君の「体質」だろうか?
それとも、君の体が「まだその準備ができていない」だけなのだろうか?
栄養学という地図を手に、自分の体の土台を整えていく。その先には、君が想像もしなかった「自由で健やかな自分」が待っているはずだ。
僕は今日も、感謝と共に4個の卵をいただく。かつての僕には想像もできなかった、この自由な毎日を噛み締めながら。
僕の提供しているパーソナルヘルスケアサービス《MitoFlow40》では、そうした体質改善も期待できるため、ピンときたら是非ご参加いただきたい。
Comments by daisuke kobayashi
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